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気象 親子で正しく理解を■目、肌、耳で感じて
/芽室のママさん予報士・高桑さんに聞く

 外遊びや散歩、遠足など屋外で過ごす時間が増える季節となった。夢中で遊んでいると天気の変化に気付かず、雨や雷に遭った経験もあるのでは。急な気象の変化から子どもをどう守るのか。気象予報士の資格を持つ芽室町の主婦高桑衣佳さんは、最新の情報収集と子どもへの気象防災教育の大切さを説いている。
(安田義教)
【2016年5月15日付十勝毎日新聞に掲載】


/近年多発する被害/
 近年は地球温暖化に伴い豪雨が増え、落雷や竜巻、突風による被害が起きている。2008年には神戸市で、ゲリラ豪雨により急激に増水した川で保育園児と小学生を含む5人が流されて死亡した。14年には愛知県で野球の試合中、グラウンドに落雷して高校生が死亡している。帯広では昨年8月、局地的な大雨や突風で道路の冠水や倒木があった。

こうした急激な雨や雷、風は、発達した積乱雲が原因。高桑さんは、天気予報や気象庁がホームページに載せている「ナウキャスト」などの気象情報を上手に使うことを勧める。

 特に雨、雷、竜巻の3種類があるナウキャストは、地図上に1時間先までの危険度が色分けされて分かりやすい。インターネットを使い、パソコンやスマートフォンで今いる場所の雨雲や雷雲の位置、動きをリアルタイムで見ることができる。「ナウキャストはプロ仕様ではなく一般用で難しくない。『習うより慣れろ』で、保育所や幼稚園の散歩、遠足にも生かすことができる」と話す。

 他にも気象情報を提供するインターネットサイトやスマートフォンアプリがあり、テレビでもデータ放送で最新の天気予報を入手できる。「遠くの散歩や屋外活動などで急に大雨が降らないか、雷が鳴らないか、最新の天気予報やナウキャストで確認する。その状況に応じて屋内活動に変更するなど、危険を前もって知れば安全を高められる」と指摘する。

 子どもへの気象防災教育にも関心が高まっている。高桑さんは、「空を見上げるお母さんを増やそう」を合言葉に活動する「サニーエンジェルス」の一員。気象予報士の有志が集まり、親子向けお天気教室を開いている。

自身も2人の子を持つ高桑さんは、保育士の研修会、家庭学級、育児サークルなどで防災に関する講話の依頼を受けることが増えたという。

【写真説明】「情報を使えない子どもには目、肌、耳で危険察知する方法を教えてほしい」と話す高桑さん



/分かりやすい言葉で/

 その場で伝える一つは、子どもでも分かる積乱雲が近づく兆し。「空が急に暗くなる」「冷たい風が吹く」「雷が鳴る」など目、肌、耳で感じることがポイント。「積乱雲でなくても『黒い雲』と言えば分かりやすい。『黒い雲が近づいてきたね』『冷たい風がさっきより強くなったね』と実体験として子どもたちに伝えるといい」とアドバイスする。積乱雲が近づいてきたら基本的には建物の中に避難して通り過ぎるのを待つ。

大人が気象現象を誤解しているケースも少なくない。▽金属を身に付けていると雷に打たれやすい▽ゴム製の長靴やかっぱは電気を通さないから身に着けていると安全▽雷は高い所に落ちるので木の近くに避難すれば自分には落ちない-などは誤りだ。

 高桑さんは「知っているか、知らないかの違いは大きい。大人が正しい知識を持って子どもに伝えてほしい」と呼び掛けている。

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