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 子育て支援活動に取り組む個人・団体を表彰する「未来を強くする子育てプロジェクト」(住友生命保険主催)の受賞者が発表された。
表彰された活動はいずれも、
地域に根差したきめ細かな取り組みで、
十勝の子育て環境向上のためのヒントになるものも多い。
受賞者と活動の概要を紹介する。


(丹羽恭太)
【2017年4月2日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。


/フリーペーパーや離乳食教室/

◆受賞者と活動概要
【写真説明】6日に都内で開かれた授賞式

 ◇スミセイ未来大賞・文部科学大臣賞
▽NPO法人たいようのえくぼ(沖縄県浦添市)
 子育て中のママたちが企画・制作するフリーペーパーを発行している。県外と文化も気候も大きく異なる沖縄では、一般に流通する育児誌では参考にならないケースが少なくないという。誌面ではレジャー情報から社会課題などの硬派な話題まで幅広く紹介している

 ◇同・厚生労働大臣賞
▽給食人サークル(京都市)
 保育園で調理師や栄養士として働いた経験を持つメンバーが中心となり、初めての離乳食づくりに悩む親をサポートする教室を開いている。あかちゃんや各家庭の状況に合ったメニューや調理方法をレクチャーし、その場で親子で試食する

 ◇スミセイ未来賞
▽NPO法人田舎のヒロインズ(熊本県阿蘇郡)
 女性農家の視点を生かしたユニークな農業体験プログラムを実施

▽NPO法人ぎふ多胎ネット(岐阜県多治見市)
 多胎家庭への切れ目のないサポートで、安心して出産・子育てできる環境の整備を推進

▽KOPA(東京都世田谷区)
 都会に暮らす乳幼児に外遊びの場を提供するため、外遊びの道具を積み込んだ「プレーリヤカー」で公園を巡回

▽NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ(神戸市)
 困難を抱える女性やひとり親家庭のための居場所づくりと、貧困の連鎖を断ち切るための学習支援を実施

▽NPO法人ソーシャルデベロップメントジャパン(東京都足立区)
 0~18歳までの重症心身障害児のための通園施設と、障害児相談支援事業を運営

▽NPO法人多文化共生センター大阪(大阪市)
 外国にルーツを持つ子どもたちのための学習支援教室を開催

▽チームWeB(兵庫県姫路市)
 車いすバスケットボールの体験型交流会を通じて、ノーマライゼーション社会の実現を目指す

▽NPO法人未来図書館(岩手県盛岡市)
 多様な生き方や価値観を持つ大人と子どもたちが直接出会い、共に学び合うプログラムを県内小中高校の授業の中で実施

▽NPO法人ユースコミュニティー(東京都大田区)
 地域住民と地元商店などが協力して、「昭和の塾」のように温かく、一人ひとりに寄り添った学習支援に取り組んでいる

▽一般社団法人ユメ・フルサト(愛知県豊田市)
 働く笑顔があふれるコミュニティーの再生を目指し、地域通貨を活用した「こども夢の商店街」を開催

◆◆◆◆◆
同プロジェクトは今年で10回目。
過去も含め受賞者の活動を見ると、
「十勝でもこんな活動があったら」
と思うものが少なくない。

 例えば、文科大臣賞を受賞した、
沖縄のママたちが作るフリーペーパー「たいようのえくぼ」。
文化や気候などが域外と異なるのは十勝も同じ。
十勝のママ、パパが作るフリーペーパーがあれば、
十勝での子育てがより楽しくなるかも。

 厚労大臣賞に輝いた「給食人サークル」では、
参加者から「だしそのものがこんなにおいしいことを初めて知った」などと
京都らしい感想をもらっているという。
十勝でも、食材の宝庫ならではの離乳食教室があるとうれしい。

 今年の選考委員長を務めた汐見稔幸・白梅学園大学学長(東京大学名誉教授)は、
受賞者のような地域で活動する団体は
「子育て支援のインフラとしての機能を担うようになっている」と講評。
「時代に合わせ、テーマを特化した新しい形の子育て支援活動が誕生する流れが、全国各地で生まれつつあるように感じる」
と述べている。

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