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早期教育の新常識

「這えば立て立てば歩めの親心」 ということわざがあります。 親は子どもの成長を待ち望み、 あんなこともこんなことも人並みか、 あわよくば それ以上にできることを期待してしまい、 そうあることで安心していたい生き物です。  それが高じて、 ときに不幸にも 過度な期待で子どもを追い詰めたり、 無意識のうちに子どもを通じて 自己実現を図ろうと支配する親もあるほど。    その一例が早期教育。 最近では2歳にもなれば、 何か習わせなければと 周囲を見ながら 落ち着かない傾向が強まっている様子。 とても心配です。 「好きこそ物の上手なれ」で、 本当に好きなことに夢中になるとき、 人は効率的に能力を伸ばします。 しかし、 子どもは親の喜ぶ顔がみたくて 期待に応えようとする側面を持っている、 ということを 是非心に留めておいて欲しいのです。 親の「やらせたい」という思いは、 敏感な子どものセンサーを刺激して 「やらされる」羽目に遭いがちです。    いっぽうで、 近年多方面で注目されているのは、 「あそび」です。 自分自身の「やりたい」という意欲、 ワクワクドキドキから始まって、 満足したらおしまい。 結果を求められることなく、 評価されることもなく、 自分の「やりたい」に忠実に 突き動かされるあそびが、 子どもの集中力を高め、 興味関心の幅を拡げ、 外あそびならば体力も養えます。 五感が刺激され、 自然に人との コミュニケーションが学べるあそびは、 心身の成長発達途上の子ども時代に 何よりも優先してやるべきことです。 世界や人間を理解する前の子どもたちに、 過度な情報の詰め込みや、 スマホ・タブレットへの接触はおすすめできません。 自分の頭で考える習慣や、 人間同士のつながりをつくる方法を学ぶこと、 それが幼児・学童期ごろまでの 発達の課題だからです。 ここをクリアして初めて、 意欲や自発性が養われますから、 知的な学習を習得したり、 思考能力を高めるための準備が整います。 残念ながら発達段階の飛び級はなく、 飛び越えた課題は積み残されていくばかり。 その先の思春期、青年期に 影響を及ぼすことになりかねません。 くれぐれも先を急がないこと。 AI時代を生きる今の子どもたちには、 与えられた課題に 一律な正解を求めるような学びはもう通用しません。 自分からやってみる→失敗する→もう一度やってみる、というふうに 学びを深めていけるような あそび環境を用意していきたいと考えています。  さて、来る5月19日(日)は、 ぷれいおん・とかち第30回こどもらんど。 今年は帯広の森に会場を移しました! 子どもが主体的に学ぶ、 イキイキとした姿をお見逃しなく。 ※子育てマガジン「コノコト」Vol.4は、管内子育て支援センター、図書館等で入手できます。 今村江穂(いまむら・みずほ) 1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。 2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。 こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。 2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。 こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。 16歳から24歳までの1男2女の母。 十勝管内芽室町在住。

今村江穂
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