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 中学校には部活動があり、そこには「縦社会」というものがあります。先輩・後輩という立場に置かれて「我慢」というものを学んでいきます。

 日本では好むと好まざるとにかかわらず、将来必ず「縦社会」に放り込まれます。高校や大学を卒業し、就職して初めて「縦社会」の強い風にさらされて、耐えきれなくなる若者が増えているようです。ですから、中学校時代の部活動で経験する先輩との関わりは、実はものすごく重要な体験になります。

 また、部活動ではないけれど、上下関係を大事にする習い事やスポーツのクラブチームなどもあります。言葉遣いはもちろん、年下の者が気を付けなければならない細かなことを学ぶという意味では、部活動と同じ効果があります。

 スポーツでも文化活動でも、他の習い事でも練習には苦痛が伴います。暑い中でもグラウンドを走ったり、寒さの中でもボールを追いかけたり、同じことを繰り返し、一つのことを追求していくことは、子どもの心を鍛えます。そこに、適度な「縦社会」のルールが加わると、子どもはさらに「我慢強く」なっていきます。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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