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【2021年07月21日付十勝毎日新聞教育・子育て面「教えて!学校現場はいま」から】

 コンピューターを動かす仕組みから論理的な思考を身に付ける「プログラミング教育」が小学校で必修化されて1年がたった。今どんな教育が行われているのか。外部講師を招いている豊頃小学校の授業をのぞいた。(高田晃太郎)

【写真説明】スクラッチを使ったゲーム作りを指導する山本さん(豊頃小で)

 「まねではなく、動作の意味を理解しながら進めてね」

 7月上旬、帯広市内のプログラミング教室「LOGI LABO」(ロジ・ラボ)を運営する山本彰さん(49)が5年生16人に語り掛けた。

 児童がiPad(アイパッド)で取り組むのは、画面に連続して現れるリンゴをいくつ消せるかを競うゲーム。教育用ソフト「スクラッチ」を使い、リンゴが現れる位置などの命令ブロックを指でドラッグし組み立て、プログラムを作る。

 「どうすればゲームが面白くなるだろう」と問い掛ける山本さん。リンゴが画面に表示される時間をランダムにするなど、ヒントを与える。児童はたとえ間違ったプログラムを組み立てても、誤った動きが反映され、意図した動きと比べられる。山本さんは「思い通りの動きになるよう試行錯誤することで、物事を順序立てて思考する力を養える」と強調する。

 成功するたびに、児童からは「すごい」「もう1回やろう」と歓声が上がる。成沢瑚音(こと)さん(11)は「自分で作ったゲームが遊べるので、達成感がある」と笑顔を見せる。

 同校はプログラミング教育が必修化された昨年度から、山本さんに外部講師を依頼。今年度は5年生に4回(8コマ)を予定。4年生と6年生はプログラミング教育用のロボット作りを行う。5年生担任の近藤正晃(まさき)教諭(26)は「子どもの反応はとても良い。授業の進め方を同僚と共有し、自身の指導力も向上させたい」と話す。

 一方で、プログラミング教育の内容は現場の学校に大きく任されていることから、管内の複数の学校で指導する山本さんは「どう授業をしていいのか今も戸惑っている先生は多いが、まずはソフトに触ってみてほしい」と語る。

 2024年度からは「情報」が大学入学共通テストの試験科目になる見通し。情報にはプログラミングが含まれるため、山本さんは「子どもたちに苦手意識を持たせず、楽しく学べるよう工夫を続けたい」と話している。

 <プログラミング教育>
 情報技術社会ではコンピューターを活用する力が求められるとし、文部科学省が2020年度から小学校で必修化。身近な生活でコンピューターが活用されていることに気付き、論理的な思考を身に付けることなどを目的とする。「プログラミング」という教科はなく、普段の教科の中でプログラミング教育が行われる。

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