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 少し大きめの机と椅子に座り、好奇心に満ちた目で前を向く子どもたち。4月になり、小学校ではこんな光景が繰り広げられている。授業、給食、下校…初めてのことばかりの新1年生の生活の様子を、帯広栄小学校を舞台にのぞいた。
【2021年4月21日付十勝毎日新聞教育・子育て面企画「教えて!学校現場はいま」より】


【写真説明】児童の横で学習指導員らがサポートする1年生の教室

 「“へ”が付く言葉を挙げてください」。15日、1年1組(29人)の国語の授業で、担任の播(はり)佳菜教諭(38)が問うと、半数以上の児童が「はい!」と手を挙げた。へび、へちま、ヘリコプター。「へんすう(変数)」という言葉が出てくると、「そんな難しい言葉、どこで覚えたの」と播教諭。「本で読みました」「すごいね」

 教室には播教諭のほか、学習指導員と特別支援学級の教員が1人ずつ入った。道教委が配置する学習指導員は、コロナ禍でも学びを保障するため、昨年度に大幅に増加。今年度は市内の小中学校28校に1人ずつ置かれ、授業や放課後学習をサポートする。40人学級を担任教員1人が受け持っていた一昔前と比べると、児童一人ひとりに目が行き届く。

 授業のほかにも、1年生にとっては初めてのことばかり。同校は児童が安全に下校できるよう、市交通指導員による交通安全教室を実施。須藤琴子さんと曳田佳子さんが講師となり、通学路で児童に付き添いながら、横断歩道の信号が青でも左右を確認することや、駐車場の車の出入りに注意することなどを伝えた。須藤さんは「市内でも下校途中に友達と公園で遊び、自分がどこにいるのか分からなくなった子がいた」と話し、「決められた通学路を必ず守ってね」と約束した。

 給食が始まった当日は、横井智子栄養教諭が食事マナーの大切さを呼び掛けた。中休みには6年の女子児童が1年生の教室をのぞき、声を掛ける姿も。1年生は学校全体で見守られている。

 ただ、コロナ禍で例年にない苦労もある。「マスクをしないと学校生活を送れないよ」。入学前はマスクを着ける習慣がなかった子もおり、播教諭が授業中に注意する場面は多い。さらに播教諭は「マスク越しでは表情が伝わりづらい」と打ち明け、「目で伝えるよう意識している」と言う。それでも初めて1年生のクラスを担当する播教諭は「登校時にジャンパーを掛けたり、名札を付けたり、できることがどんどん増えていく。これからの伸びしろが楽しみ」と話す。

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