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 十勝管内の新型コロナウイルス感染者の高止まりが続き、コロナ下で3年目の春を迎えた学校現場では、児童生徒のマスク姿が定着し、行事の制限や給食の黙食などが続く。学校の風景はこの2年で様変わりしたが、各学校は「できることを最大限やっていきたい」と、子どもたちが楽しい学校生活を送れるよう心を砕く。コロナを機に授業改善や業務の見直しにつながったという声もある。(澤村真理子)【2022年04月20日付十勝毎日新聞に掲載】




 「マスクをしているため、授業中の児童のつぶやきが聞き取りづらい。本来、先生方はそうした言葉を拾うのがとても上手なのだが…」。帯広市内の小学校の校長は授業中の“マスク弊害”を嘆く。

 顔半分がマスクで隠れ、表情も読み取りにくい。良いつぶやきをした児童には、クラスのみんなに伝わるように再度発表を促す場面もあり、入学したばかりの1年生を受け持つ教諭は「余計に頑張らせてしまっていると感じる」という。教諭自身も声をより大きく、身ぶり手ぶりを交えて学習への理解が深まるよう心掛けている。

 全校集会は感染予防のため従来通りに開催できない。全校が集い、異学年が接することは児童の成長にとって大事な機会だが、校長は「できないことに不満を言っても仕方ない。他にできることを考えている」。行事ごとに集まる学年の組み合わせを変えるなどより良い方法を模索する。一方で、「高学年になると(感染予防以外でも)マスクを外したくないという子もいる。子どもらしさを奪っている感じがして悲しい」と打ち明ける。

 コロナ生活が3年目に入り、現在の中学生は全校生徒が入学時からマスクを着用している。帯広第二中学校(藤崎禎人校長、生徒216人)では、廊下や教室にマスクなしの生徒の顔写真付きの自己紹介文を掲示している。生徒同士や教職員に名前と顔を早く覚えてもらうための工夫という。

 3年生を受け持つ竹田有佑教諭は「入学当初はいつもよりも顔を覚えるのに時間がかかった」と2年前を振り返る。「生徒にとって楽しみで、生徒同士の関係づくりにも大切な給食も、この2年は『食事中はとにかくしゃべるな』と言ってきた。うどんをすする音だけが教室に響いている」と苦笑いする。

 生徒同士が少しでもコミュニケーションを取れるよう、授業中や朝のホームルームで声掛けを意識する。体育祭や合唱コンクールも縮小や分散開催を余儀なくされたが、「生徒たちができる範囲で全力を尽くして楽しもうとしてくれているのが何より」と話す。

 コロナ禍は授業の指導方法も見直す機会に。同校で数学を受け持つ吉能康大教諭は「タブレットを活用して目で見える情報を示すなど、話すだけではない伝え方を取り入れている。対話のバリエーションを考えるようになった」と語る。

 同校では昨年度、教職員の校内研修で外部講師を招いてタブレットの効果的な使い方を学んだ。生徒の健康観察表の提出もオンラインで行うようになり、紙の削減や業務効率化にもつながった。藤崎校長は「制限が増える中、先生方が意識を変えて新しい視点に立ち、より一丸となって子どもたちのために取り組んでくれている。組織としてプラスもあった」と話す。

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