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つい最近も、ドラマで「ゆとりですがなにか!」というのがあったが…
私達大人がそうさせて?しまったゆとり世代の子ども達が、今社会に出て、とても苦労している。

最近、新入社員、社会に出てすぐの若者の自殺が相次いでいるが、これは予想できたこと。
小学校から大学まで、ずっと「ゆとり教育」を受けて来て、なるべく他人と競争することを避けさせ、学力も体力も、創造力さえもみんな平均的であれば良いという育てられ方をして来たわけだから、いきなり社会に出て、営業で人と競わせられ、数字を取って来い!と言われても…それは、無理があるであろう。

まだ、運動部で勝敗を経験したり、先輩後輩関係をしっかりと学んできたゆとり世代は、踏ん張ることが出来るかもしれない。

しかし、あまり努力をしなくても、生まれ持った能力だけで、優秀な大学に入り、一流企業に入った子ども達にとって、勤め先の会社や上司が、ゆとり世代の特質を知らないまま、ゆとり世代以前の社員にして来たことと同じことを言い、要求しても、無理なのだ。

何故なら、彼ら「ゆとり世代」が悪いのではなく、私達大人がそういう教育を受けさせて来たのだから…

ゆとり世代の子ども達が育つ頃、学校は土日完全休校であった。(私立学校は異なるが…)
彼らは、土日は常に休みであると脳裏に埋め込まれている。

授業もビッチリ五教科科目を受けてきたわけではない。ただでさえ、授業時間が短くなったにも関わらず、「総合学習」とかいう訳のわからない授業を入れられて、「今日は公園を散歩しながら落ち葉を拾い、何の葉っぱか調べよう!」なんて時間を高学年であっても週に2時間も入れていたわけである。子ども達にとって、その時間は、正に息抜きの「ゆとりの時間」であったはずだ。

しかし、社会人になると、そんな息抜きのゆとりの時間などあるわけがなく、決められた昼食時間さえも奪われて、仕事に没頭しなければならない。
そんないきなりの環境の変化についていけるわけがないのだ。

そして、それに悩む新入社員は、概して真面目で優等生だった子が多いのだ。

「会社を辞めます」という若い社員が多いのを「ああ、今時の子ども達だから…」と一言で片付けるべきではない。
痛ましくも、優秀な新入社員が自殺したことを単なる超過勤務によるノイローゼと片付けるべきではない。
私達大人は、子ども達の成長過程で何が起こっていたかを検証し、それを反省すべきなのだ。
「教育」とは、そういうものであるということを改めて、思い知る必要がある。


保前明美(ほうぜん・あけみ)
旭川出身。帯広市PTA連合会会長を2年、北海道PTA連合会副会長を1年務め、現在帯広市PTA連合会顧問。2016年度日本PTA全国協議会年次表彰個人の部で受賞。放課後居場所広場よんかけサポーターズクラブ代表兼コーディネーター、帯広第五中学校・緑丘小学校学校地域支援本部コーディネーターとして、学校と地域を結びつける役割をしている。社会人の長女を筆頭に1男2女の母。モットーは「和して同ぜず」。

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