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私が放課後居場所教室に関わってから10年になる。

まだ、ご存知ない方のために簡単にご説明するが、
元々放課後居場所教室とは、平成16年より文科省が、放課後の空き時間、学校の空き教室を利用して、子ども達を遊ばせる空間を作るために、地域の方々のボランティアの力によって推進してきた事業である。

まあ、それ以上の複雑な行政事情についてはここでは触れないが、
帯広市ではこの事業を平成19年より全市全小学校に設置する方向で推進し、
現在市内小学校24校で行われている。(実はこれは全国的に見てもすごいことである。)

さて、そんな活動を10年続けてきて、
私達が関わる可愛い子ども達の様子で、最近、顕著な行動の特徴がある。

それは…活動を開始するや否や、「ねえ、ねえ、◯◯さん、見て、見て。」「ねえ、ねえ、◯◯さん、見ててー!」
という子どもが異常に多いことなのだ。

もちろん、こういう子ども達は以前からいた。しかし…最近、スタッフにこう伝えて来る子ども達の多いこと、多いこと…(*_*)

平日水曜日の私達「みどりっこクラブ」の活動は、いつも自由遊びとして、企画物をしないのだが、参加児童はいつも70名近くなる。
70名の子ども達のうち、半数近くの子ども達がスタッフにこう訴えてくるのだから五人のスタッフで対応しても、対応しきれない。

もちろん、一度には無理なので「うん、ちょっと待っててね。◯◯ちゃんがおわったらね。」と待ってもらうしかないのだが、
子ども達にしてみると、縄跳びを50回続けたとか、バスケットゴールにボールを入れたとか、今描き上げた絵を見てほしいとか、とにかく、今見てほしいわけである。

「ちょっと待ってて…」の間にボールがゴールに入ってしまったとか、縄跳び100回を達成したとなると、子ども達は口を尖らせて「あーあ、見てて!って言ったのに…」と残念そうに文句をいう…;^_^A

もちろん、こんな子ども達の行動には慣れっこなので、スタッフはみんなその都度、上手く対応してくれてはいるのだが、問題なのは、何故こういう子どもが増えているか?なのだ。

たぶん、彼らが一番見てほしいのは、自分達の親御さんだろう。
「ねえ、ねえ、お母さん、縄跳び100回跳べるようになったよ。見て、見て…」
「ねえ、ねえ、お父さん、バスケット上手くなったよ。ゴールに何度もボールを入れられるよ。」
「ねえ、ねえ、お母さん、うちの家族を描いたよ。見て見て!」と言うように…

しかし、たぶん、それが満たされていないから、たぶん、本当に見てほしい親に見てもらえないから、私達に伝えてくるのだな…と私は感じている。

今の忙しい時代に生きている大人達は、たとえ我が子にさえも中々時間を割くことができないのかもしれない。
しかし、その我が子は、いつまでも小さな子どもではない。いつまでも親に「見て、見て」と要求してくるわけではない。

どうか、お父さん、お母さん、どんなに忙しくても、
我が子が「ねえ、ねえ、見て、見て…」と伝えて来たら、
ほんのちょっとの時間、立ち止まって我が子を見ててあげて下さい。

子ども達は、ほんのちょっとの時間でも、自分の呼びかけに応えてくれれば、自分を見ててくれればそれだけで、愛されていることを実感するはずです(^-^)

「ねえ、ねえ、お母さん」と言われたら、「なあーに?」とたった30秒でもいいから、我が子を見てあげて下さい。
決して、「今忙しいから、あっち行ってて!」などと言わずに…


保前明美(ほうぜん・あけみ)
旭川出身。地元の高校卒業後、短大英語科を経て塾講師として学習塾に勤める。
結婚後は家庭に入り、現在大学生を筆頭に1男2女の子育て中。
放課後子ども居場所広場みどりっこクラブ(よんかけサポーターズクラブ)代表、帯広市PTA連合会顧問。
モットーは「和して同ぜず」。

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