【ニコのびくらぶ】　子どもの「好き嫌い」…、食べてほしいのに！

とかち子育て応援ラボ（775）更新／2016.03.15

ニコのびくらぶ

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十勝毎日新聞子育て面（毎週日曜）から、ママ、パパの生の声を伝える特集記事「ニコのびクラブ」をご紹介します！

　「嫌いな野菜はみじん切りにして混ぜ込んでも察知して手を付けない」「パンしか食べない」－。子供の食べ物の「好き嫌い」について悩みを持つ親は多いのでは。子育て中のママたちから“格闘体験”などの声を拾ったほか、幼少期の成長にどう影響するかも心配なため幕別町保健課の伊丹恵健康推進係長（保健師）にも話を聞いた。
（佐藤いづみ）
【2015年５月10日十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。

食べてほしいのに…　混ぜ込んでも察知

　帯広市で農業を営むＡさん（３８）は４歳と１歳の男児のママ。長男の野菜嫌いと小食に悩む。「（ホウレンソウなどの）青野菜は全然駄目。みじん切りにしてハンバーグに混ぜ込んだり、カレーに入れて味を隠したりしても食べない」など、嫌い度は筋金入り。好んで口にするのはふりかけご飯だけというが、その量は次男より少ないという。

　離乳食時は何でも食べたという。保育所では我慢して野菜を食べているようで、保育士からは「徐々に食べるようになる」と助言されたが、つい先日、Ａさんが作った中華丼を何とか口に入れた長男だったが、気づいたら吐いていた。「口に入れるようになっただけ進歩したかな」とぽつり。
【写真説明】栄養バランスを考えて献立を考えるママたちにとって、わが子の好き嫌いは悩みのタネ（本文と関係ありません）

　Ａさんまでいかなくても、今回ママたちから聞いた中で「苦手」食材として多かったのが青物野菜と肉だった。２児のママのＢさん（３４）＝幕別＝も６歳の長男の野菜嫌いに悩む一人。「何とか食べさせたいので、ホウレンソウを刻んでホットケーキに混ぜ込んだりしている」と話す。

　Ｃさん（３６）＝音更＝の２歳８カ月の一人息子は、ギョーザのあんに入った千切りキャベツも１本ずつ除いて食べるほどキャベツが苦手。初めて口にする食材に対する警戒感と抵抗感も半端ではないという。ただ、無理強いしないよう心掛けるＣさん。「おいしそうに自分たちが食べてみたり、見た目や調理を変えたりして食卓に出し続けている。好きな食材（肉や魚）とセットで出し、キャベツを食べたら、好きな方をもっとあげるといって釣っている」と話してくれた。

　先輩ママにも話を聞いた。小学５年男児を持つＤさん（４３）＝帯広＝は、男児が保育所の給食で魚の骨が喉に刺さって魚嫌いになったというが、無理に食べさせなかったという。「私自身、子供の頃に嫌いなものを親に無理矢理食べさせられて嫌な思いをした。魚の代わりに肉などでタンパク質は補える。いつの間にか食べられるようになっていた」と説明する。

　調理の工夫に苦労しているとの声も。５歳と２歳、１０カ月の３人の女児のママＥさん（３４）＝幕別＝は日によってはおかずを３パターン作る。肉が苦手な長女のため、下２人の離乳食、肉好きの夫用。「子供に配慮したメニューでは主人は物足りないみたい。正直大変ですが、仕方ない」と困り顔だった。

諦めず、調理に工夫を　保健師・伊丹恵さん（幕別町保健課健康推進係長）　

　１歳を過ぎたあたりから味や色などに敏感になっていくほか、自己主張もするようになるので、これまで食べていたものを食べない、いわゆる好き嫌いをしたり、一つの物に固執して食べることなどは珍しくありません。多くの子供が通る道だと思ってください。

　食事前におなかが減るよう十分に遊ばせたり、生活リズムを整えることが大切ですが、特に苦手な子が多い青物野菜や肉などは、刻んだり、とろみを付けるなど調理を工夫するのも手。

　一度食べなかったとしても諦めないで。数日後、また違う調理をして出すと食べるという例も。また、子供は大人の表情をよく見ているので、親が横でおいしそうに食べると、つられて食べた、という話もよく聞きます。
【写真説明】「食べ物の好みは変わることが多い」と話す伊丹係長

　心配な気持ちは分かりますが、がみがみ叱ることは逆効果。子供の味覚は変わりやすいので、いつか食べる日が来ると思ってほしい。栄養的に、例えばホウレンソウが食べられなければ、別の野菜で補う－など柔軟に対応を。それでも不安なときは自治体の保健師や栄養士などへ気軽に相談してください。