【子育てニュース】児童・生徒の指導に情熱　「北海道教育実践表彰」に十勝小中学教諭６人

とかち子育て応援ラボ（775）更新／2021.05.07

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　道教委の２０２０年度「北海道教育実践表彰」に、十勝管内の小中学校の教諭６人が選ばれた。児童・生徒の指導に情熱を傾け、大きな成果を挙げた教育活動を紹介する。
【２０２１年４月７日付十勝毎日新聞に掲載】

　※肩書の（　）は受賞当時の在籍校

■教職員表彰

●／体育科目で工夫や改善　岡久めぐみさん（５５）＝芽室西小（池田小）／

　体育専科教員として、児童が考えながら運動に取り組めるよう指導方法を工夫したり、改善を図ったりするなど、体育科目の充実に成果を挙げている。

　２０１５年４月から６年間勤務した池田小では、オリンピックの歴史や地元のオリンピアンを紹介する掲示物を作って廊下に掲示。体育館の一部スペースを開放し、パラリンピックの正式種目「ボッチャ」に親しめる機会も提供した。

　教員生活は３０年を数え、４月から芽室西小へ。「子どもたちの基礎体力の向上に向け、今後も楽しみながら身に付く指導を心掛けたい」と見据える。

●／英語指導の底上げ尽力　遠藤康代さん（４８）＝幕別中／

　文科省の英語教育推進リーダーとして「グローバル化に対応した英語教育指導力向上研修」など、さまざまな研修や学習会で講師を務め、管内の英語科教員の指導力の底上げに尽力してきた。

　小学校外国語から中学校英語への円滑な接続に向けて、１０年以上にわたり小学校と連携した授業づくりに力を注ぐ。

　「生徒たちには英語は目的ではなく手段だということをしっかり伝え、広い世界に出て行き、習得した知識や技術を、より良い世の中にするために生かしてもらいたい」と心から願っている。

●／プログラミング教育に力　桜井拓さん（４５）＝帯広光南小（帯広稲田小）／

　２０１９年度に道教委からプログラミング教育の研究実践校の指定を受け、教員１０人でつくるプロジェクトチームを立ち上げた。道内外の先進地を視察して稲田小の全体計画を作ったほか、管内の学校を巡回し助言もしてきた。

　プログラミングは、コンピューターに意図した処理を行うよう指示する。「子どもたちは楽しみながら試行錯誤し、正解に近づいていく」と手応えを語る。

　今年度から小中学校で児童・生徒１人１台のタブレット端末の活用が始まる。「プログラミング授業に生かし、教科の学びをさらに深めたい」

■若手教職員等奨励賞

●／専科教員で地域を巡回　越祐太さん（３５）＝中札内小（大樹小）／

　大樹小では道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」で道内初の「地域連携型」に取り組み、社会科の専科教員として大樹小、広尾小、豊似小（広尾）を巡回して授業を行った。初任段階教員を対象にメンター研修を定期的に開催し、若手教員の育成にも力を注いだ。

　初任地は帯広緑丘小で、２０１５年から６年間、大樹小で勤務し、４月から中札内小へ。

　「驚きと感謝の気持ちでいっぱい。各校の取り組みを知ることができて大きな収穫となった。経験を今後に生かしたい」と意欲を語った。

●／国語授業で幅広い活動　及川貴大さん（３２）＝帯広森の里小（陸別中）／

　国語科の授業では学習意欲や学力向上に向けた教育活動を展開した。２０１９年に新設された「陸別ふるさと科」では、地域の歴史などを学ぶ取り組みなどで関係機関と連携し、児童の「話す力・聞く力」に応じた学習規律をまとめるなど幅広い活動を行った。同年から実施の小中一貫教育に伴い、小学６年生の中学校体験登校などを企画。子どもたちから好評を得た。

　陸別町での教員生活４年目での受賞。「今回新設の賞を頂くことができ、とても光栄に思う。今後も研修などに積極的に参加し、スキルアップを図っていきたい」と話す。

●／特別支援の体制を充実　諸田尚彦さん（４８）＝帯広南町中／

　特別支援学級の担任として、自閉症や情緒障害のある生徒が、一部の教科を通常学級で学ぶ体制をつくったほか、校区内の幼稚園・小中学校の保護者や教員を対象に学習会を開催。「マニュアルがない世界」だが、生徒の障害の特性や家庭環境を理解し、海外の事例も参考にしながら、特別支援教育の充実に取り組んできた。

　「目指すのは、社会に出たとき、生きる力を付けていること」。そのために教師としての引き出しを豊富に持ち、「成長のきっかけを提示したい」。担当教科は音楽で、「帯広市民オペラの会」でソリストの顔を持つ。