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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除を受け、6月から十勝管内の一部の子ども食堂も再開した。一方で「3密」を回避するため、集まって食事する従来の形式から弁当配布などに切り替えた団体も多い。本来の居場所づくりとは異なる活動だが、屋内に長時間滞在する形は難しく、各団体は新しい運営方法を模索している。
(教育面取材班)
【2020年06月10日付十勝毎日新聞に掲載】


【写真説明】子ども食堂「風の子めむろ」で食事する子どもたち。従来は向かい合わせだが、コロナ対策として、学校給食と同じように距離を取り前を向いて食べる(2日)

 「おれ、テストで95点だったよ」

 「久しぶりの学校なのに、すごいね」

 2日、芽室町中央公民館で1カ月半ぶりに再開した子ども食堂「風の子めむろ」。小学5年の男子児童が声を弾ませると、周りのボランティアに笑顔が広がった。オセロをしたり、学校の宿題をしたりと、思い思いの時間を過ごした。ボランティアの国本美里さん(29)は「休校中、いつも来てくれる子どもたちの様子が気になっていたので、元気そうでよかった」。

 風の子めむろは、町が帯広市の市民団体「WEW(ウィー)とかち」に運営委託し、週1回開催。小中高校生を対象に、3階の調理室で食事、2階の広間で学習支援と遊びの場を提供している。

/第3の居場所に/

 4月に2回開いた後は休業していたが、学校と公民館が6月に再開したことを受け、「食事と遊ぶ部屋は分けており、広間(123平方メートル)も十分なスペースがある」(町子育て支援課)として再始動を決めた。

 広間の利用はボランティアを含め30人に限定し、アルコール消毒液を設置。同じ時間に食事が取れるのは6人までとし、手洗いを徹底した上で、距離を取り、向き合わずに座り食べる。

 この日、利用した子どもは10人と、通常時より少なかったが、この春高校に進学した生徒が約3カ月ぶりに顔を出すなどうれしい再会もあった。WEWとかちの若菜順代表は「例年なら、新1年生がスタッフに慣れてくるころだが、今年度はまだ一人も来ておらず、いつもと違う雰囲気。家と学校以外の第3の居場所として運営を続けたい」と話す。

/一部は弁当配布移行 野外での昼食検討も/8カ所で形式見直し/


 十勝毎日新聞社の調べでは、十勝管内の子ども食堂13カ所のうち、6月からの再開を決めたのは「風の子めむろ」だけ。8カ所は一緒に集まって食事する従来の開催形式を自粛し、家庭で余った食品や弁当などの配布を実施したり、検討したりしている。

 秋からの再開を目指す「たいき食堂おかわり」(大樹町)の松本麻美代表は「休校中は自宅に1人でいた子どもも多かったと思う。今こそ開催したい気持ちが強い」と再開を望むが、「多くの人が集まるとクラスター(感染者集団)が懸念され、ジレンマがある」と打ち明ける。

 「ひまわり食堂足寄」(足寄町)では「調理場にはスタッフ14人ほどが入るため、密にならないよう解消する必要がある」(高道洋子会長)のが課題だ。「みんなのキッチン」(池田町、藤原恵子会長)は7月以降の活動再開を目指し、弁当の提供を検討している。

 この春オープンする予定だった「おとふけポッケ」(音更町)は、開始時期を7月26日に延ばした。守屋いつ子代表は「20人程度の子どもを集め、夏休みの宿題も手伝いたいが、この状況では宣伝ができない」と頭を抱える。

 コロナ禍でこれまでの活動継続が厳しくなる中、「皆でたべようおうちご飯」(幕別町)は前向きだ。千葉智子代表は「手作り料理の味わいと、大勢で食卓を囲むことの楽しさを伝えるのが活動の狙い」と強調。野外で昼食を提供することも検討しており、「外遊びした後、森の中でもいいので輪になってみんなで食べられたら」と話している。

<子ども食堂>
 地域の大人が子どもに無料や安価で食事を提供する、民間発の取り組み。2012年ごろから「子ども食堂」の名が定着したが、最近は、地域の子どもや親、高齢者など、対象を限定しない食堂が増えている。食事だけでなく、遊びや学習支援を提供する食堂もある。

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