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 胆振東部地震に伴う停電を、子育て世帯はどう乗り切ったのか。家事や環境について学び合う「帯広友の会」の会員で、幼児を育てるママたちに、当時の苦労や工夫を振り返ってもらった。日ごろから環境に優しい丁寧な暮らしを心掛けてきた会員にとっては、不自由な停電生活も思いのほか充実し、発見に満ちた時間となったようだ。
(丹羽恭太)
【2018年9月23日付十勝毎日新聞に掲載】


【写真説明】市内スーパーの行列には親子連れで並ぶ住民の姿もあった(6日、新井拓海撮影)

 2歳と4歳の娘を育てるAさん宅では停電時に米が尽きたが、営業しているスーパーはどこも物資を求める長蛇の列。「私一人では子どもを抱えて行列に並べない。仕事が休みになった夫が買い出しに行けたから今回は良かったけど、これからは数日間、家にこもれるだけの物資を備蓄しておきたい」と、備えの大切さを実感した。

 ママ友とはどこのスーパーでどんな食材を売っているかといった情報交換をしたり、フライパンで焼いたパンをお裾分けしてもらったりした。「子どもを通してのつながりが、思いがけず支えになった」と振り返る。

 一方、「蓄え過ぎも困りもの」と話すのはBさん。実家には冷蔵庫とは別に大量の食材を保管する冷凍庫があるが、多くは廃棄せざるを得なかった。

 自宅では買い置きのブロック肉などを腐らせないよう、急きょ屋外で焼き肉に。4歳の息子にとってはそうしたイベントが、暗闇の不安を和らげる効果につながった。備蓄品に炭も加わりそうだ。

 子どもには非常時でもおいしい物を食べさせたいのが親心。4歳の娘を育てるCさんは、停電のためいつものレシピサイトが閲覧できなかったが、代わりに同会のレシピ本を活用。さば缶の炊き込みご飯をはじめ、あり合わせの食材で子どもが飽きない献立を心掛けた。

 「かえって冷蔵庫を整理するきっかけになった」と笑う。電気に頼る生活を改めて見直すきっかけにもなり、建築中の新居では電子レンジを封印、まきストーブを備え、契約アンペア数を現在の30から20に落とすつもりだ。

 6歳の息子と3歳の娘を持つDさんは、冷蔵庫に頼らない保存食の重要性を実感した。「缶詰や、切り干し大根などの乾物が役に立った」という。

 同会の料理講習では乾物や豆、海藻などを意識的に使っている。こうした食材は子どもの体に良いのはもちろん、常温でも比較的保存が利くため、停電時には強い味方になる。各地の友の会では、これらの食材を全国からえりすぐって共同購入もしている。

 乾燥野菜を手作りしたつわものも。7歳の長男と2歳の娘と農場で暮らすEさんは、冷蔵庫の野菜を腐らせないよう刻んで日乾しにした。

 もともと電化製品は冷蔵庫と洗濯機、ミシンぐらいという生活をしているDさんは、「電気が無くてもお日さまがあれば大丈夫」と頼もしい。停電中は、たらいにためた水を太陽で温めて体を洗い、洗濯は洗濯板で。「衣類を手洗いすると、一つ一つの服と初めて出合えた感覚になった」と、物を慈しむ気持ちを再発見した。

 「停電のときは皆がいつもより生き生きしていて、会話も多く、助け合っていた。人間らしい暮らしだなと思った」と振り返る。

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