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【子育てニュース】乳幼児期は自発的な遊びを~保育環境づくりの第一人者 東洋大・高山静子准教授講演

 大谷菩提樹会主催の保育士・幼稚園教諭向け研修会が25日、音更町文化センターで開かれ、保育園や幼稚園の環境づくりの第一人者の高山静子氏(東洋大学准教授)が講演した。 高山氏は「子どもに合った適切な環境をつくれば、子どもに豊かな経験をさせられ、情緒も安定する」と訴えた。講演の要旨を紹介する。 (丹羽恭太) 【2017年8月27日付十勝毎日新聞に掲載】 ※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです /園は家庭のモデル/  子どもにどんな経験をしてほしいか。 子どもを幼稚な存在ととらえているか、感性豊かな1人の人間ととらえているか。 子どもの力を信じているか。 保育環境には、こうした保育者の願いや子ども観が現れる。 毎日見る景色は子どもの原風景となり、価値観に影響を与える。 子どもを取り巻く色や形、材質や音が心を形づくる。  だからこそ保育環境が大切なのだが、家庭を顧みるとどうか。 大人にとって都合の良い環境がつくられていないか。 テレビ文化や商業文化が浸透し、幼児期から大人のように物やサービスを消費して遊ぶことが増えている。 対して園には、子ども自身がつくり出す遊び、人との豊かな関わりが伴う遊びがある。 伝承する文化、季節感、丁寧な暮らしがある。 園は子どもの育ちを守る最後のとりでで、家庭のモデルだ。 /子どもありきで/  「乳幼児期の教育は自発的な遊びを通して」。 保育者には当たり前のこの知識が、一般的には浸透していない。 大人の遊びは気晴らしだが、子どもの遊びはいま伸びようとしている能力を獲得する機会だ。 「遊ばせる、遊んであげる、楽しませる」というのは一般的なまなざし。 保育者のまなざしは、子どもの力を信じ、子ども自身が遊びをつくり出し、喜びを生み出すことを援助することだ。  子どもが自律的に行動し、創造的な活動を展開するには環境づくりが不可欠。 求められる環境は地域や園の状況、時代によって変わるが、原則は「子どもありき」。 目の前の子どもの姿から、必要な環境を考えること。 子どもにとって、その環境が難しすぎても簡単すぎても適切ではない。 発達にぴったり合っていることを基本に、少し挑戦的な事柄をプラスした環境が適切だ。 /「素材」が大事/  ヒントは自然環境にある。 子どもが必要としているのは、過度な刺激やおもちゃではなく、遊びの「素材」。 段ボール1つあればいろいろな物に見立てて遊ぶが、そこにキャラクターが描かれていたりすると想像力を伸ばせなくなる。 何かを一斉にさせるのではなく、主体的、自律的に生活する「時間」の環境をつくることも大切だ。 /「保育者にゆとり」相乗効果/  子どもが主体的に活動できる環境をつくれれば、人的環境である保育者にゆとりが生まれ、丁寧な関わりができるようになる。 そうした環境を見せられれば、園や保育者に対する保護者の信頼も高まり、子どもも保育者もますます輝きを増すだろう。 <たかまや・しずこ>  子育て中に保育士の資格を取り、他職種から保育士に転職。保育・子育て支援の現場を経て、九州大学大学院人間環境学府で教育学博士を取得し、保育者養成、研究の道へ。保育現場の持つ専門性を理論化し、現場に還元することをテーマとする。「環境構成の理論と実践」「子育て支援・ひだまり通信」など著書多数。

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