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 【大樹】自然体験活動を子どもたちに提供する南十勝長期宿泊体験交流協議会(STEP、会長・酒森正人町長)は設立から12年が経過し、成熟とともに新たな局面を迎えている。ノウハウを重ねて成果を上げてきた一方、新型コロナウイルスの影響で今年度の主催イベントは休止中。それでも配信用動画を撮影するなど、理念の「生きる力を育てる」ことの大切さを、この状況だからこそ伝えていく。
【2020年05月26日付十勝毎日新聞に掲載】


【写真説明】主催イベントが休止する中、配信用の動画撮影でSTEPの活動を紹介する安保さん

 「四季がはっきりし、山や海、沼があり、畑作や酪農、漁業などの1次産業が体験できる。地域住民も協力的。大樹には全てがあるんです」。2015年からSTEPの事務局で運営を担当する安保翔太さん(29)は、町の豊かな環境を強調する。

 主催イベントでは、川や森、雪上などでの遊びを提供し、民泊では子どもたちによる調理も。生花苗沼(オイカマナイトー)で夏にカヌーを楽しみ、冬には氷上横断に挑戦するなど、季節ごとの企画を提供している。町内の宇宙関連施設やロケット実験なども紹介し、ペットボトルロケットの打ち上げ体験は人気が高い。

 このほか、地元の児童・生徒が郷土について学ぶ「大樹学」への協力、本州からの修学旅行生や子育て団体、姉妹都市の児童、海外からの来訪者も受け入れている。

 町教委社会教育課内の事務局は5人体制。発足当初を含め、長年携わる清原勝利事務局長(49)=社会教育課長=は「参加者が自然の中で過ごすことで、仲間との協力や自立した行動が生まれる」と話す。

 リピーターが多く、10年以上活動する中で子どもたちも成長。小学生のころから参加していた帯広市の女子高校生(3年)は、昨年の冬キャンプでは運営側に回った。STEPに寄せた手紙で「STEPのキャンプは、学校だけが自分の居場所じゃないと知ることのできる大好きな行事でした」「ボランティアという立場から見るキャンプはいつもとは全然別の世界。すべてが私の学びになりました」と感想をつづっている。

 今年度事業は5月の山菜採りから中止しているが、当初の参加者募集には例年に比べて新規申し込みが多かったという。事務局は「コロナによる外出自粛の影響で、屋外での自然体験に興味を持った親が多かったのでは」と分析する。
【写真説明】特色は四季を通じた自然体験活動。1月の冬キャンプでは結氷したホロカヤントーでワカサギ釣りを楽しんだ

 今後公開する動画では、自然体験を通して「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」を学ぶことができ、生きる力の醸成につながると、STEPの意義を改めて紹介する。5月からは木製知育玩具の貸し出しを始めるなど、新たな事業も展開。現時点では9月以降にカヌー体験や酪農体験などを予定している。

 将来的には独立しての法人化も模索する。安保さんは「新たなかじを切るときのため、できることを増やしたい」と充電期間を好機ととらえる。清原事務局長は「現時点で法人化に向けた財源収入の確保は難しいが、活動に関しては内外から評価が高い。今後も積極的な取り組みを続けたい」と話している。(松村智裕)

<南十勝長期宿泊体験交流協議会(STEP)>
 2008年度に始まった国の事業「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進するため、町内9団体で同年4月に設立。道内のモデル地区に選ばれ、長期宿泊から日帰りまで地域資源を生かした自然体験や農林漁業体験を企画・運営している。

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